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ラブライブ!スーパースター!! Liella! 3rd LoveLive! Tour ~WE WILL!!~<大阪公演>

 1月21日、22日の2日間、ラブライブ!スーパースター!! Liella! 3rd LoveLive! Tour ~WE WILL!!~の大阪公演に参加してきました。半年ぶりの大阪城ホール、2度目の現地の感想をレポートします。今回もアップまで1週間かかってしまった。

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ステージと座席

 多少うろついた半年前に対して、今回は一切の観光やコラボグッズ購入なしで現地に直行しました。寒いし地元でいつでも行けるしね。食事も家で食べてから行って帰りも直帰、その点ではイベントに参加した感はないかも。

 さて、両日とも10分前くらいのギリギリの入場。反省はあとでまとめて書きますが、とくに初日はバタバタでした。バックで流れる2ndの大トリを飾ったユニゾンに郷愁を覚えます。

全然撮る余裕なくて写真これしかなかった。

 ステージはメインとセンター、それに今回はトロッコがけっこうな曲でありました。その分かセンターステージはあまり使われなかった印象。2ndよりメインステージが1ブロック分ほど手前に来ていて、席数が絞られている印象です。チケット争奪戦にならないのは助かるけれども、好きな作品だけに寂しいね。曲とライブパフォーマンスは最高なので、アニメ3期はもっとがんばってファンを獲得してほしい。

ステージと座席(座席表 | 大阪城ホールより借用、一部改変)。

 座席は前回と同じく両日スタンドでした。方角も似たようなもの。前回と異なるのはトロッコでキャストが近くまで来ることです。ただ、そのトロッコの東西方向の通路がスタンドに近すぎるのですよね。スタンド席の傾斜の延長線上より手前側を通過するせいで、Day1は一番近くに来たタイミングで前列の席の陰になってキャストがまったく見えませんでした。これは明確な不満点ですね。アンケートでも伝えました。

 一方のDay2の席はステージ正面のブロックで、手前の機材スペースのおかげで通路が近すぎず、ばっちりトロッコが見えました。キャストと目が合いまくりの手振りまくりで最高でした。前方かつ隣が階段の端席で、アリーナ席含めても上位10%に入るような良席だったのではないかと思います。それはそれとして一度はアリーナ席を体験してみたい。座席の違いによる体験の違いへの期待も込めて両日買っている側面もありますからね。

 センターステージの柄は朱とクリーム2色の大きめの乱形石張りで、「WE WILL!!」のステージがモチーフですかね。CDジャケットだったり公演タイトルロゴだったり、ペール調の平面充填が「WE WILL!!」のデザインの特徴のひとつのようですね。

 メインステージは大きく3段構成。手前の下段、それが数段の階段で狭い中段と接続され、中段に備えてある左右可動の階段でさらに上段に接続します。バックのメインモニターはひとつの巨大な光る額に収まっているような見た目。建物感のあった2ndのセットとは対照的。角にふくらみのある柔らかい線の外形といい内部を走る脈といい、マルガレーテの蝶がモチーフでしょうか。可動式の階段もイルミネーションのように光るし、上段の壁面もモニターになっているし、全体にピカピカしたステージ。もっとも、ライブステージとは概して全体にピカピカしているものでしょう。

セットリスト*1

オープニング

 メインテーマとともに、モニターには宇宙を流れる一筋の星が映し出されます。メンバーの一枚絵が順にカットイン、かのんに始まり9人目に夏美、いよいよ開幕です。

M01 WE WILL!!

 順当なトップバッター。アニメと同じ衣装に身を包んだキャスト9人がメインステージに集結。MCでのんちゃんも言っていましたが、リリイベにテレビ出演にと、1期曲も含めて最もたくさんのステージを観た曲かもしれません。サビ前でクルっと回って手を突き上げながらピョンっと小ジャンプを入れるのが好きすぎる。

M02 スター宣言

 リリイベで大きく評価の上がった曲。イントロにてライブスタートのシャウトで大阪と間違えて「ほっかぃ…」と言いかける伊達さゆりさんありがとうございます。メインモニターにはカメラ映像の周囲にアメコミ風のビビッドな吹き出しのビジュアルで雰囲気を盛り立てます。やっぱり皆で合わせるクラップは楽しい。

MC①

 コーレスわからなくて声豚ぢからの不足を感じます。ネタバレ自衛もあるけど、他のアニメ視聴で忙しくてラジオや生放送の履修をサボっていました。Day2、ステージが鉄板に見えてきたからの雁首揃えてたこ焼きなりきりからのなこちゃんによるひっくり返しは面白すぎてずるい。

M03 Welcome to 僕らのセカイ

 放送当時、アニメ1発目の挿入歌としては弱いなと思っていましたが、聴けば聴くほど先輩が挑戦を後押しする歌詞に愛着がわいてきた曲。初日は1サビ前で上手から顔を出したのんちゃんをあっさり見逃しました。ラストに舞台照明がイエローに変わり、1期生がのんちゃんに手を差し伸べる演出がにくい。

M04 Butterfly Wing

 ほっこりしたところで唐突な謎インスト。赤青黄と目まぐるしく変化する照明にパニックです。まさかこのタイミングで新曲?あるいは履修に抜けがあったのか?混乱している間に曲が終わって拍手が起こります。しばらくしてアニメ映像の開始とともにウィーン・マルガレーテ役の結那さんがメインステージ上段に立っているのを見て、ようやく腑に落ちました。ゲスト出演のことすっかり忘れていました。

 代々木スクールアイドルフェスでのLiella!の追体験をしたくて、マルガレーテの曲はあえて聴かないでおいたのですが、歌はうまいしダンスは優美だし顔は良いしで、そら勝ちますわ。

 イメージカラーはCDジャケットのような淡い青をイメージしていたのですが、恋のサファイアブルーでブレードを振っている観客がほとんどでした。サニパのゲスト出演の際もおそらくそうだったろうけど、別のメンバーカラーで代用するのが標準にならざるをえない状況には釈然としない。ゲストとはいえこのツアーではマルガレーテも全出演するのだから、公式ブレードに追加するなりケミカルライト配布するなりしてほしい。

幕間① アニメ映像

 着席給水タイム。第3話の敗北を受けてのLiella!の面々。この辺りでかなり愚直にアニメ2期をなぞるのだと察しがつき、自ずとセトリの全貌も見えてきました。

M05 Go!! リスタート

 ということでこの曲も当然の流れ。アニメどおり6人でメインステージから花道を駆け、初めてセンターステージにやってきました。それにしても衣装がかわいい。イメージカラーを交換した髪飾りひとつで印象が変わるものです。正面にDay1はペイちゃん、Day2はのんちゃん、手をいっぱい振ってもらったぜ。Twitterではキャストに認知されないよう努める硬派アカウントでやらせてもらっているのでふぁぼりつは控えたのですが、ブログに貼るのはいいですか?(いいよ)やったー!

幕間② アニメ映像

 リエラのうたイラストの遊園地で遊ぶ無声アニメ。ゴーカートが恋とメイだったり、迷路が可可千砂都四季チビだったり、まさかの新規映像でびっくり。集合写真で2列目センターに陣取るチビ許せん。ラストで空に上がる緑と青の風船はすみ恋匂わせか?

M06(Day1) パレードはいつも

 ここからはリエラのうたが続きます。衣装は年越しのCDTVライブライブで着ていたものですね。リエラのうた用だったんだ。

 Day1とDay2とで異なる選曲だったので、まとめて順番に書きます。まずはDay1、やぶくまによる「パレードはいつも」です。トロッコがフル活用。右と左に分かれ、1番の間にメインステージ側からゆっくりと機材スペースの方まで来て合流、入れ替わります。初めはくまちゃんが舞台向かって左で近い方でした。先に書いたように、肝心のブロック正面に来た時に前の席で全然見えない問題が深刻。それはさておき、観客がブレードの色をそれぞれのキャストに合わせて、これがまたきれいでした。花道を境に紅白で真っ二つに分かれ、本当にパレードのよう。ラストはセンターステージでまた合流。

 振りは上半身だけの簡素なもので、ダンスより歌唱とファンサービスに重心が置かれています。リエラのうたはツアーが終われば披露する機会も激減するだろうし、うまいトロッコの使い方だと感心しました。Liella!のリアルイベントは前々から過密すぎて、キャストの体調が真剣に心配だよ。

M07(Day1) 迷宮讃歌

 これ、アニメもだけど曲がとにかく好きなんですよね。絶対にやってほしかった一曲。メリハリのあるリズムとメロディー、迷路のモチーフから逸脱することなくメッセージを伝える歯切れのよい歌詞。恋の歌声はさすがですが、夏美もやるねえとなった曲でもあります。いろいろな楽しませ方を提供してくれるので忘れがちですが、大好きな曲を爆音で聴くのがライブの醍醐味ですからね。今度はトロッコ不使用で、メインステージオンリー。1番をステージの両端で分かれて踊っていたのが迷宮っぽくてグッド。

M08(Day1) Dreamer Coaster

 こっちはまたトロッコの出番。センターに戻るタイミングが早くて、その分トロッコのスピードも速めでした。今まで考えたことがなかったのですが、トロッコの周囲ってスタッフがぞろぞろいるのですね。モニターや記録用の映像を撮影する人もいれば、そもそもトロッコを押し引きして動かす人がいないと動かないんだ。

M6(Day2) プライム・アドベンチャー

 かわってDay2、やぶくまえもトリオによるステージ。幕間明けから紅白に灯る会場のブレードに、まさか連日で同じ曲をやるのかと疑ったものの杞憂でした。膝を高く上げて闊歩したくなるようなビートがよいですね。

M07(Day2) エンドレスサーキット

 トロッコがフル稼働。正面スタンドブロック前方席の恩恵にあずかります。1番の尺をじっくりと使って下手側からにじり寄ってくるりーちゃん。26年に一度の最接近イベントです。幾千の光が揺れる宇宙の中で、そのとき彼女はわたしだけを見ていました。振動バイブレーションは静かに頂点に達しました。

M08(Day2) 駆けるメリーゴーランド

 直前の印象が強烈で正直あまり覚えていません。じゃんけんで負けて悔しがるLiyuu、『スピンして』の歌詞を飛ばすLiyuu、キャストで一番好きなのはペイトンのはずだが、おかしいな…。

 画としてはあまり思い出せないのですが、音としての記憶はたしかにあって、要所で下を歌うなこちゃんのハモリがきれいでした。CDのソロより今回のツインボーカルの方がずっとよいかもしれない。

幕間③ アニメ映像

 妙に落ち着いた心境で迎えた第4話から第6話のダイジェスト。科学室で溶け合うふたり、必然巻き起こる拍手。個人的には第6話の夏美が1年生組に発破をかけるシーンも2期屈指の名場面だと思うのですが、静寂の中ひとりで手を叩く勇気はありませんでした。

M09 ビタミンSUMMER!

 専用衣装に着替えて、MCぶりに9人がメインステージに集結。アップで見られるアニメでの各キャラの個性的な振付が印象的でしたが、ライブにて引きで見るのも楽しいですね。フィーバー一辺倒でなく、曲中に盛り上がりの波が仕組まれているのも重要に思います。流行りのことばで言うところのチルアウトタイムでしょうか。そして決めるところはしっかり決める。クラップ煽りもそうだし、サビのヘブン三連星での両手ブラブラ、1番だけじゃなく全部でやってくれるのがうれしい。

M10 POP TALKING

 マゼンタの舞台照明に照らされて、ドム、ドム、ドムと地鳴りするビート、何だこの曲は思うのも束の間、CDの編曲に戻り、耳になじんだ軽快な歌い出しが聞こえてきました。キャストは4つのトロッコに分かれ、メインステージから離れていきます。直接のファンサももちろん欠かさないのですが、リエラのうたと違って同じトロッコに2人ないし3人で乗っていて、それぞれでずっといちゃいちゃしています。さゆなこ、のんえもなぎ、やぶくま、りーペイの組み合わせだったかな。アップのモニターも見たいし、目が足りない。崩してラップを歌うペイちゃんがかっこよかった。どんなジャンルも歌いこなす歌姫ですが、日経エンタテインメント!の取材でもライブで楽しみな楽曲として挙げていたし、本人の好みが出ていますね。

M11 ユートピアマジック

 トロッコそのままの流れで次の曲へ。相変わらずどいつもこいつも終始いちゃいちゃしてやがります。本当にありがとうございます。自撮り棒を使った演出には、2ndの「水色のSunday」を思い出しました。それにしても、こういうシンプルなポップミュージックがツボで、聴いていてじつに心地が良い。難度の高いダンスも魅力的な一方で、こうしてサビで一緒に大きく手をワイパーさせるのも代えがたい楽しさであります。前曲とは反対に正面スタンド側からメインステージに戻る導線で、1サビのペイちゃんのハイトーンが間近で聴けたのも役得でした。

M12 Chance Day, Chance Way!

 挿入歌なのにアニメ幕間入れないんだ。衣装もビタサマのものが続投。CDTVで専用衣装じゃなかったので察してはいましたが、未作成っぽいですね。素人目にもあまりに歌うことを考慮していない振付でキャストの負担も大きそうだし、特段の人気もなさそうだしで今後のライブではレアになりそう。ただ、個人的にはアニメ8話のこの曲までの流れはけっこう評価しています。シリーズに1曲くらいはこの手の奇抜さがあってもよい。大阪の高校生がその夏に地車だんじりモチーフのダンスで大会を優勝したニュースがあったことも、現実とのシンクロを見て興奮に作用しました。

 心配していたパフォーマンスですが、音響もあってか歌唱はとても良かった。1番は中央モニターとの連動もしやすいメインステージで踊って、それから花道、センターステージと縦の動きを入れるフォーメーションも、会場の制約の中で原作再現をしていて満足。あとはアニメみたくアオリで観られたら最高なのですがね。一生に一度はセンターステージ真正面のアリーナ席で、なこちゃんの飛び上がりからの見得切りを拝んでみたい。

MC②

 センターステージでのMC。ローアングル眼福。曲が続いたところでキャストも観客も一息つきます。ただ、両日とも周囲のオタクはここ含め全MCで立ちっぱなしで強かった。幕間が多いのもありますかね。

M13 揺らぐわ

 イントロから真っ赤に染まる会場で、初めてこの曲がメイセンターだと認識しました。アニメのメイはかっこよくよりかわいく描かれている印象で、やはり新鮮。そもそも今回の披露までちゃんと聴いていなかったと実感しました。1期生のパートが極端に少なく、挑戦を前向きにとらえるLiella!の他の多くの曲の中にあって異色な歌詞。今回のセトリでは後半の1発目として、ライブ全体をぐっと引き締めるポジションであったように振り返ります。

 振付も動静にキレがあってかっこいい。絞って落とした照明が強く、テクスチャよりシルエットが際立ちます。1サビでひとり中央に立つやぶちゃん、間奏でドミノ倒しの要領で順にしゃがんでいき最後に残るやぶちゃん、センターステージをうまく使っていました。

M14 色づいて透明

 この曲は視聴動画で聴いたときからよい曲だなと思っていました。前曲とは対照的に1期生のみで歌われる1番。サビのスタートまでにメインステージへの移動が終わり、下段の1期生と上段の2期生とで分かれました。これもまた水色の照明がきれいで、1サビの間暗めの上段でダンスにのみ集中する2期生がビシッとそろって美しい。フレーズごと弱拍の柔らかい歌い出しから休符に向けて力強く締める歌唱がCD以上にハマっている素晴らしいパフォーマンスでした。

幕間④ アニメ映像

 第10話ダイジェスト。「UR 葉月恋」と9話のかのすみクゥすみは犠牲になったのだ…。

M15 エーデルシュタイン

 アニメの空気感そのまま。要所で低音が前に出たり、青の照明が豹変して黄色に輝いたりと、重厚さを増すパートはあるのだけど、根底に走るのは冷たい静かさなのですよね。ブレードも持ってはいるけれど、振れずに地蔵と化します。

M16 Sing!Shine!Smile!

 大会の再現としてか、前曲に同じく終始メインステージ上段でのパフォーマンスでした。もちろん専用衣装、2ndでは5人分だったものが、同じ城ホールで新たに9人分でお披露目。マルガレーテとは対照的に温もりにあふれたステージで、なんて楽しい気持ちになるのでしょう。先の「Butterfly Wing」の感想と真逆のことを言うようですが、これはLiella!が勝ちますわ。アニメ2期における大きな不満点のひとつが第10話の東京大会中のライブ以外のシーンの拙さだったのですが、リアルライブによって因縁を断ち切れたような気がします。ただ、アニメと今回とで決定的に異なるのが、マルガレーテがゲストであるという点で、打ち負かす必要のある敵として直前にあのパフォーマンスを披露されて、Liella!はどこまで伸び伸びとやれるか疑わしい。だからこそ、せめて舞台袖にてかのん以外の気持ちが切り替わる過程はもっと丁寧に描くべきだったと思う。曲やライブの良し悪しではなく、物語としてのアニメの表現力に欠陥があった。

M17 名前呼びあうように

 曲の前にざわつきが挿入されます。大会の結果発表の暗示でしょうか。さながらこの曲はアニメでは描かれなかった勝者によるアンコール曲のようです。ただただコーラスに聞き惚れる。階段に座って歌うのも非常に絵になりますね。最後は全員が寄り添って歌い終わりのくまちゃんに視線を誘導、深い余韻に包まれました。

M18 私のSymphony

 セトリの流れそのままに、オーケストラアレンジを9人で。1期第11話のかのんソロでやったピアノアレンジとはまた別、2ndでは2番から原曲アレンジに戻りましたが、今回は徹底していました。パン、パパンという手拍子も、手を交差させてからのジャンプも、ラララに合わせて大きく振られる両手も、今回ばかりは幻。スローテンポなバラードといっても、サビの盛り上がりはすさまじく、まさしく絶唱。変幻自在、曲もそうだし、歌いこなすLiella!の底が知れない。

幕間⑤ アニメ映像

 第11話、第12話ダイジェスト。シーンを厳選して上映するとふつうに名作感があるな。放送当時は話はどこに向かっているのかとおいてきぼりだった。

M19 未来の音が聴こえる

 ついに来ました、この曲を観るために参加したといっても過言ではない。ラブライブ!決勝の「未来の音が聴こえる」のステージが圧巻だったからこそ第2期を最終的には良いアニメだったと思えたので。アイドルアニメはつまるところライブ良ければすべて良しですからね。

 原作衣装バッチリ、そして髪下ろしなこ!美しい…。Day2の帰りの電車にて、バラードではブレードを振らないと語るオタクの声が聞こえたのですが、同意しません。いや、「エーデルシュタイン」では固まってしまったのですが、すくなくともこの曲は違います。アレンジがリッチで、主旋律だけでなく鳴っている楽器に合わせていくらでも体が動いてしまう。聴きこむほどに、エモーショナルなだけでない、ノれる曲として作られていると感じます。

 この曲のもうひとつ外せない魅力、フォーメーションとカメラのスケール感ですが、さすがにこれはアニメのうそもあって完全再現は難しかったですね。開始の立ち位置はメイン下段と階段を含めた中段。アニメでも随一愛着のあるカット、Aメロで1拍ずつ優雅に腕を上下させるなぎちゃんが見られただけでも感慨深い。1番の進行とともに下段まで降りてきます。穴が開くほど見て分析したとおりに、時空を超えてキャストが動いているのを目の当たりにする愉悦。人間を辞めたかのんたちはセンターステージにワープしていましたが、本公演ではメインステージに留まったまま整列、1番を終えます。このときの並び、まだラスサビじゃないからなぎちゃんセンターの方が良いと妄想していましたが、アニメどおり伊達ちゃんでしたね。

「未来の音が聴こえる」のステージに頭をやられて作ったフォーメーション遷移図。

 2番ではサビでステージ幅いっぱいに広がるのが印象的。この辺ももしリアルステージの制約が取っ払えたらより平面的、立体的に広がる様子も見てみたい。そして再び舞台中央に集まって、スーパースターをかたどって締め。万感。

MC③

 5人だった2ndから半年を経て舞い戻った大阪城ホール、「いまさらだけど9人になってよかった?」と尋ねるりーちゃんは罪な女ですよ。自分たちの拍手で泣き崩れるキャストを見られるなんて、ファン冥利に尽きます。

M20 追いかける夢の先で

 いよいよトリ、直前のMCで皆知っている曲だと言われるまで、この曲がまだだったことを忘れていました。一人ひとりの細かい振付や表情が愛らしいから、これもいつかもっと近くで見たいね。曲後の話になりますが、初日では最後に掃けたなこちゃんの後ろ姿、サラサラのロングヘアがたまらなかった。

 暗転まもなくアンコールの拍手。2ndでもそうだったけど早いし速いって。もうちょっと落ち着きましょうよ。

幕間⑥ 第2期キャストインタビュー

 2期生次いで1期生とキャスト個別のインタビュー映像が映し出されます。見たことあるやつかな?「世界一、いや宇宙一のスクールアイドルにしたい」と堂々と語るくまちゃん、やっぱり2期生の中でも肝の座り方が違いますね。それからファンミの舞台裏、テレビアニメ2期第1話を見守る2期生、2期OPEDリリイベ、そうして今回のツアー。ラブライブ!シリーズを追うのはスパスタが初めてなのですが、あらためて進級および新入生の途中加入というのは特別なことなのだなと。

EN01 水しぶきのサイン

 そういえばまだだった曲その2。結女のスカートにTシャツ、その上にメンバーカラーの透けたシャツを被ったラフな格好で再登壇。最初はただ明るい青春の曲かと思いきや、刹那的な高校生、友情、若さといったものへの感傷が、等身大かつ詩的なことばで見事に表現された歌詞。青春時代の希望や情熱に焦点を当てたEDと相補的で、これらの2曲でラブライブ!スーパースター!!という作品を紹介できてしまう。1期EDのカップリング「この街でいまキミと」とリンクするのもまたたまらない。ベタだけど落ちサビで夕焼けに滲む会場が良いんですわ。海水をパシャパシャとかけてくるのんちゃんかわいい。

EN02(Day1) Shooting Voice!!

 1期曲キターーーーー!!!!!メインステージで9人で踊っています。2番からはトロッコへ。

 最後のMCでペイちゃんが、大阪公演はツアーの最西端、もっと西にも行きたかったが難しく、一連のツアーに来られない遠くのファンにも届くように想いを込めてこの曲を歌ったと語っていて、無限に頷いていました。わたしは2ndの大阪公演でこの曲をトップに持ってきたセトリを高く評価していて(オタクはどんなセトリでも高く評価しがちという論調はある)、あのときはライブビューイングや配信で参加している遠隔地のファンにも届かせる歌として、これほどの適任はいないと確信したことを思い出しました。

EN02(Day2) 1.2.3!

 2日目はきっと違う曲をやってくれるだろうと期待、シンプルなギターイントロに周囲から歓声が漏れ聞こえ、つられてテンションは最高潮。照明がオレンジだったこともあって、じつは開始3秒くらい「この街でいまキミと」だと勘違いしていたのは内緒(事前予想にて観たい曲No.1でした)。

 ただ、願望が外れたこととは別に本当に楽しかった。キャスト9名は早々に4組に分かれてトロッコへ。どの席からも近くにキャストがいるから、会場全体でライブを作っている感じが本公演の中で最強でした。2ndではセンターステージでさゆペイなぎの3人のみでの披露でこれはこれで良かったのですが、同じ『ワン・ツー・スリー!』からの『ジャンプ!』でこんなにも違うのかと。帰りの電車でただただ楽しかったなと余韻に浸れたのは、おそらくこの曲の存在が大きかったのだと思います。

EN03 Day1

 こっちのイントロは勘違いしようがない、リエライブの王です。前曲の間にトロッコで正面スタンドに集合しており、キャストをじっくりと間近で拝めました。9人に増えたことにより2期生に譲るパートもできたのですが、やっぱりペイトンの存在感よ。ライブに参加すると絶対ファンになる。

MC④

 新喜劇の「邪魔するでー」のネタで結那さんが登壇。1日目は「大阪城、人の多さ過剰」とダジャレ、2日目はくいだおれ太郎のものまね、どれも自信満々といった様子。結那さんのことまだほとんど存じ上げないのですが、もしかして面白い人ですか?マルガレーテや楽曲について真面目なコメントもしていたような気がしますが忘れました。そして嵐のように去っていく。

 Day2、なこちゃんへの尊敬の念を告白したあとに赤面して顔を隠すくまちゃん、まさかの第4話の四季の再現!ひととおり話し終わって会場の皆で大トリに備えて伸びをしようというなこちゃんの呼びかけのくだり、くまちゃんが後ろまで目いっぱい上体をそらして「あ、自分が見える!」とこぼす振り幅ずるすぎる。

EN04 TO BE CONTINUED

 ヘイ!ヘイ!ヘイ!と開幕から飛ばしていきます。立ち上がるスモーク、かき鳴らされるギター、打ち鳴らされるドラム、「ユニゾン」とは正反対のエンディングだ。『五線譜に線を足したら まだ知らないメロディが煌めいた』って1期と2期を結ぶ大切な歌詞で、あんなくだけた振付をしちゃっていいんですか。センターステージまで駆けてきてピアノのパントマイムをするおどけた顔のなぎやぶが脳裏に自動再生される呪いにかかってしまった。サビの斉唱で皆で大きく手を振るの、何曲で使われて何回やろうと心底楽しい。

おわりに

 とにかくフィナーレまで楽しいライブでした。なにかと初参加の2nd大阪と並べて語ってしまうのですが、あのときが楽しさとともに夢から醒めてしまうような喪失感があったのとは対照的だったように思います。同じライブを再び体験することは叶わないけれども、Liella!はいつも新しい始まりを歩いていて、次のライブでもきっと未知の素晴らしい景色を見せてくれる、そんな信頼を覚えたからかもしれません。

 現地参加にあたっての個人的な反省も多くありました。備忘録、戒めとして残しておきます。第一に物販の会場受取の事前予約が遅れてブレードを買い損ねたこと。2ndでは当日もふつうに売っていたしまさか予約時点で売り切れるとは思っていませんでした。当日販売で買う手もありましたが、外も財布も寒いし引きこもり最高人間なので早く出歩きたくなかった。結果的に今後人数が再び増えても使えるキンブレで十分だなと考えを改められたのは怪我の功名でしたが。

 反省その2。家に長く居たいにしても出発が遅すぎました。特に初日、ヨドバシで予約していたキンブレを受け取ったは良いものの、着席したのは10分前。買ったキンブレはスマホからBluetoothで任意のカラーリングが設定できるものです。パッケージの底に入っているストラップにも気づかないまま、有志がネットに上げているLiella!カラーのQRコードを読み取ろうとしてからはじめて、ウェブページ上のQRコードをキンブレのアプリで読み取る手段を用意していないことに気が回りました。せめてもう5分早く来ていれば、せめて電車内で設定を始めていれば、隣のオタクに協力を仰ぐこともできたろうに。

 色数も色合いも色の点灯順も合っていないブレードは最悪でした(自業自得)。曲中に変えたいと思うことも少なくないし、MCでは色の変更機会がたくさんあります。そのたびに15色の中からやみくもにボタンをかちかちしてそれっぽい色を探さなくてはいけません。色を決めてもデフォルトカラーはそれっぽいというだけで、違いに浮いていないか、変更に手間取って悪目立ちしていないかと没入感が削がれること間違いなしです。

 反省その3。ライブは楽しくて素晴らしいということとは別に、楽しむのは自分であるということ。自分自身が楽しむ準備ができていないと、同じ体験をしても受け取れる魅力は半減してしまうよという戒め。先の失態にも表れていますが、2nd参加前の頭がそのことでいっぱいだった自分と比べると、正直どこまで情熱があったかなと思います。これがまだ3rdツアー初回の宮城だったらけっこう違っていたかもしれませんがね。アニメ放送終了からいくらか日も浅いですし、ネタバレを気にせずキャストのSNSやラジオもチェックして一緒に気持ちを高めていけたでしょうし。他のアニメとかピアノとか、以前より趣味が充実してしまっているのも少なからずあります。わたしにはラブライブ!を人生にする覚悟はない……。

 さて、今後のLiella!について、もしアコースティックライブをまたやってくれるなら、今度こそは参加したいなあ。前回開催時は通常のアイドルライブも未参加の状態であり、初参加がいきなり変化球はないと見送りました。でも今回の公演でやっぱりLiella!はバラードが良いと痛感しました。わたしがバラード大好きマンということを差し引いても、2期になって素敵な曲が増えたし、新たに4人が加わってコーラスの魅力を獲得したと思います。最優秀曲をあえて挙げるなら「名前呼びあうように」でした。あとはシンプルに生音の力は代えがたいなと。そういう意味ではチケ代上がっても良いから2nd大阪の生バンドをデフォルトにしてほしいくらい。

 声出しがまた日常に戻っていくかもしれない情勢ではありますが、これの合う合わないは参加してみないとわかりませんね。3月発売の2ndアルバムを引っ提げてのライブはやるのかな。個人としてよりグループとして好きだから、2人以上での新曲が1曲のみというのは残念。グループ名義のアルバムとしての完成度やまとまりはこの際気にしない。2期生のソロはバランス的にも欲しかったし、参加メンバーを絞った曲でキャストの負担を減らすのも歓迎だけど、デュエットとかトリオとか2期生4人とか、未開拓地がたくさんあるのに。もちろんアルバム発売自体は歓迎ですし、ライブもやるなら参加しますけどね。

www.lovelive-anime.jp

 それでは、この辺りでレポートを閉じたいと思います。素晴らしいライブを届けてくれたキャストとスタッフに感謝。また会う日を楽しみにしています。