虚用叢

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ラブライブ!スーパースター!! Liella! 2nd LoveLive! ~What a Wonderful Dream!!~ with Yuigaoka Girls Band

 6月4日、5日と2日間、ラブライブ!スーパースター!! Liella! 2nd LoveLive! ~What a Wonderful Dream!!~ with Yuigaoka Girls Bandに現地参加してきました。これはその忘れたくない夢の記録です(※ネタバレを多分に含みます)。配信のアーカイブは買わずに記憶を頼りに書いているので、一部事実と相違するかもしれません。

やっぱりこのB2ポスター良すぎる。家宝にします。

はじめに

 簡単に当方について書いておきます。わたしはアニメものやアイドルといったライブに参加するのは今回が初めてで、当然ながらLiella!を含めたラブライブ!シリーズのライブを観るのも初めてです。(深夜帯の)テレビアニメ自体はここ10年くらい波がありつつもライトに楽しんでいますが(Annictリンク)、ラブライブに関してはスパスタを今年の冬の再放送で視聴するまで一切触れてこなかったバリバリの新参です。

 音楽の嗜好としては、Jポップ・ロックの特定のアーティストの偏食家で、いずれも現役活動を終えており、必然的に享受の仕方としてはほぼ既存のCDを聴く形になります。ライブ参加は学生時代に1度だけで、しかもそれは過去のライブ音源と映像とに生のバンド演奏を合わせたフィルムコンサート形式で、ライブとしては特殊なものでした。

 まとめると、わたしはアニメのリアルイベント、アイドル、ラブライブ、現役アーティストの応援、音楽ライブいずれについてもほぼ経験がなく、今回の体験が新しいことだらけなのでした。

大阪うろつき

 地方のライブもといイベントというと、その地での観光や食事も大きな楽しみでしょう。ただ、わたしは大阪に移り住んで長いのとお金がないのとで簡潔に済ませました。

通天閣

 快晴だった1日目の昼過ぎ、コラボ中の通天閣に行きました。当日に家を出ても余裕で着けるので地元開催は楽ですね。

 かわいいデザインと地元コラボの特別感にひかれてアクスタだけさっと買おうと思っていたのですが、売店には大挙したオタクで50分待ちの列ができていました。催し物に限らず人混みにはとんと来ないので、これだけで想定外であり気圧されました。普通の格好をした人も多いのですが、やはりライブTシャツやコスプレ、缶バッジ大量鞄を身にまとった一目でそれとわかるオタクを実際に目の当たりにすると、ネットだけの話じゃなかったんだと感激しました。列整理のお兄さんが売店やショップではなく「物販・・列はこちらです」と案内していたのですが、もしかしてオタクに毒されていた?

 あと、グループで来ている人たちの会話がどうしても耳につきます。ソロが少ないわけではないでしょうが、わたし含め1人だと無言で存在感皆無ですからね。ツイッターの名前に参加イベントを入れて同行者を探すオタクの気持ちが少しわかった気がします。

50分の待機列を終えて、無事に後輩に挟まれた蛸可可(タコ・クゥクゥ)をゲット。
売店出口付近のアルバム販促ポスター。もっと店内の写真撮ればよかった。

 会場での物販受け取りの時間が迫っていることもあって、アクスタ購入後は速やかに環状線へ。地下鉄を出てすぐがパチンコ屋とドンキなのがこの街らしくて好きなんですが、JR側には真新しい星野リゾートができていて驚きました。

動物園前東出口。

OMO7大阪 by 星野リゾート。この春にオープンしたらしい。

大阪城ホール周辺

 通天閣の他は、もう会場周辺を少し歩いたくらいです。1日目は事前注文していたブレード、パンフレット、ポスターを受け取った後、開場まで川辺のベンチでパンフレットを読んでいました。

 2日目はまっすぐ会場に向かい、余った時間で少しだけ城の方へ。初めからライブレポートを書くつもりだったので、午前中は前日の振り返りとDay2で確認したいことの洗い出しに充てていました。開場が始まっていたこともあり、天守閣の入り口まで行っただけですぐに帰りました。

内堀から望む天守閣。

名物?のエレベーター。

ライブ観戦する自分を俯瞰する(今期アニメネタ)。

ライブスタート

ステージと座席

 いよいよライブです。Day1とDay2、セトリ自体は同じだったので混ぜて書いていきます。ただし、受けた印象は観戦が初回か否かだったり、座席が違ったりという要因で様変わりしたところもあるので、随時特記します。

 まずステージについて、メインステージから花道が伸びてセンターステージが設けられていました。座席はというと、下の図を見てもらうのが早いですが、1階のアリーナ席は抽選されず、両日ともスタンド席でした。特にDay1は立ち見に近い後方であまり期待していなかったのですが、実際には後述していくようにかなり楽しめました。

ステージと座席(座席表 | 大阪城ホールより借用、一部改変)。

セットリスト*1

オープニング

 右も左もわからないDay1、開演の18時が近づくにつれて続々と席が埋まっていきます。やがてシリーズのCMを流していたメインステージ上のスクリーンがライブロゴに、音声も案内とアルバム収録のソロ曲のインストに切り替わりました。この時点ですでに歌唱者のカラーに合わせてブレードを振っている観客がまばらにいて、温かみを覚えました。

 暗転。会場中が一斉に立ち上がって拍手。アニメが映し出され、メンバーと並んだかのんが挨拶を始めました。東京大会のStarlight Prologueです。

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 うおー!開幕からスタプロか!カラー何にしようかな(箱推し)と思っているのも束の間、会場全体を縦断する虹のようにブレードの色がエリアで分かれているではありませんか。これはちょうど動画のサムネにあるように、サビのキャラの立ち位置に合わせた舞台の電飾そのもの。

 この瞬間わたしは2つのことを理解しました。1つは会場のオタクたちが訓練された一丸の部隊であること。もう1つはわたしを含めファンである我々自身がライブを彩る舞台の一部でもあること。過去に覚えのない一体感に震え上がりました(まだキャスト登壇前)。

 そしてこの曲といえばあれですよ、ラスサビ頭のかのんソロ「Lookin for light」の歌い出しと共に舞台全体が一瞬でマリーゴールドに切り替わる演出。人生における最高の快楽の1つは、予想した未来が一切違わずに現出する瞬間に立ち会うことですが、ここでもそれが起こったわけです。会場を渡る5色のStarlinesが、太陽へ向かう花一色に一変しました。興奮で頭がくらくらしてきました(繰り返しますがまだキャストは登壇していません)。

 Day2も経験したあとにしてみれば、Day1の座席が会場全体が見渡せる位置だったことも効果的にはたらいたのだと思います。傾斜のおかげで前列の頭が視界を遮ることもありませんでした。(メイン)ステージが遠いといえば遠いですが、同じ空間と時間をキャスト、スタッフ、観客、わたしで共有していることの方が、大きく見えるかどうか以上の意味を持っているのだと、これから感じていきます。

 さて、TVサイズのスタプロが終わってキャラ紹介ムービーに続きます。スパスタのメインテーマって物語の始まりって感じで想像力を搔き立てて良いよね。街が奏でる音楽と並んで、わたしをアニメに一気に引き込んだ劇伴です。

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M01 Shooting Voice!!

今夜キミに届け!
キラキラのShooting Voice!! 飛ばすよ
想い乗せて

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 ムービーから間を置かずに5人の力強い歌声が会場に響き渡りました。スモークと共にメインステージ中央からそろっての登場です。待ち望んでいたうちの一曲!まさかのトップバッター!改めて歌詞を読むと実に1曲目にふさわしい。

 頭の歌声もそうですが、前奏に入ってから爆音でビビりました。これが生バンドの力。過去に1度だけ行ったライブでも、そういえば最初は尋常でない音量にショックを受けたことをフラッシュバックしました。無駄に?でかい音を浴びるのがどの音楽ライブでも共通の醍醐味なのかもしれない。

 鉄紺地に白の刺繡の気品ある衣装。人生初の生Liella!、そして生歌声です。初日は距離の関係でスクリーンとステージを8対2くらいの比率で見ながら、実在を噛み締めました。あらかじめ勝手のわかっていたスタプロのアニメと比べて事前情報が無いので、脳と体がフル回転しています。どんなダンスを踊っているのか、立ち位置はどこか、りーちゃん声量パワフルだな、やっぱり良い曲だ、リズムに乗るだけじゃなくブレードタイミングよく振らなきゃ、あ、ジャンプの瞬間逃したっぽい、というかオタクたち予習完璧すぎだろ、……。情報の洪水に吞み込まれているうちに、気付いたら曲が終わっていたという感覚。

M02 だから僕らは鳴らすんだ!

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 息つく間もなくライブ定番曲へ。声を出せないなら手を叩けと、つくりからコロナ禍に適合した一曲。引き続きエレガントな衣装と、足を上げて全身を激しく動かす振りのギャップが良い。スクリーンにはライブ映像にARで手のアニメーションが重ねて映し出され、演者のコールとともにクラップのタイミングを教えてくれます。やってみて初めてわかったのですが、これがとにかく楽しい。右隣の大柄のクーカーオタクに負けないように力いっぱい鳴らしました。煽りを受けて応える、コール・アンド・レスポンスの愉快さもそうですが、自体人類にはともにリズムに乗る血潮が流れているからなのでしょう。僕らのおとが響く、それだけで未来はハピネスなのです。Day1は「(座席が)アリーナの人?」のコールに周囲でわたしだけ間違えて叩いてしまい恥ずかしかったのですが、これも良い思い出。

MC①

 Day1の初っ端の声をそろえた「こんばんは」のあいさつで、一人だけ「こんにちは」と言ってしまう伊達ちゃん。MCやトークで息の合わないこの感じは、まさしく生放送やラジオでいつも見ているLiella!だと、感動。話しているキャストに合わせてブレードの色を変えるのも現地ならではで楽しい。

M03 Dancing Heart La-Pa-Pa-Pa!

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 楽しい曲が続きます。ここで初めてセンターステージにキャストが登ったのですが、Day2の席だとかなり近く感じます。しかもほぼ正面かつキャストの視野角基準でホールの中段辺りの位置にいるだろうため、こっちを見ている感がすごい。いや、間違いなくこちらを見ています。ペイちゃん顔小っさ、ぴょんぴょん跳ねる振りかわいすぎる。一番上から全体を俯瞰するDay1の席に対し、Day2はことセンターステージに立たれるとそこにしか目が行かない。画面越しでなく、直接お互いに見合う特別さ。ここでは一対多あるいは多対多であって一対一ではないことは重要ではなくて、演者の見ている景色の一部にでも自分が含まれていることに代えがたい悦びを覚えるわけであります。ブレードと拍手にいっそう力がこもりました。

M04 1.2.3! かのん・すみれ・恋 Ver.

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 3人とも終始センターステージでの歌唱。可可の曲のイメージが強く、いないのが意外でした。そもそも何で5人じゃないのだろうかとDay1。この曲もジャンプの振りが要所で出てくるのですが、それとタイミングをそろえてブレードを伸ばすのもDay2では板についてきました。余裕や慣れもありますが、どうも直接演者を見ていると反応しやすいですね。リアルタイムから物理的に遅延するにしても、音とスクリーン映像のタイミングが合うように計算されているように感じたのですが、遅延の長さといい実際どうなのでしょう。

M05 水色のSunday

 可可不在を疑問に思っていた前曲の終了とともに、次曲の前奏より先に会場のブレードがパステルブルーに灯り始め、すべてを察します。可可ソロのつなぎだったのか。

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 Day1では、歌唱に入ってからもしばらくりーちゃんがどこにいるのか見つけられずキョロキョロしていました。……ア!?スバラシイコエノヒトー!!!メインステージの上段向かって左袖から出てきたのですね。傘を合わせた白と水色のフワフワロリータ衣装。ここまで触れませんでしたが、髪色が一段と明るくなっていてまんま可可ですよ。

 このたび初めてメンバーの生歌を聴いていて意外だったことの一つが、りーちゃんの歌声の通りの良さでした。ソロでより実感。低音から高音まで安定していて気持ち良い。

 演出にも魅せられました。曲調に合わせてメインステージを散歩するように広く使い、2番後の間奏で開いた傘を床に逆さに立てて独楽のようにクルクル、大サビからの傘に仕込まれたカメラを使った自撮り演出。可可と曲のかわいさが存分に表現されていました。さいごに、ラスサビ前のパンパン(手拍子)、あれ決まるとキマる。

M06 Flyer’s High

 また前奏より早く会場が新しい色に染まります。オタク早えーよ。

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 千砂都ソロ。アニメ6話オマージュと思しき深紅の衣装でなこちゃんの登場。この世界では当たり前なのかもしれませんが、激しく踊りながら同時に歌うというのは人間業ではないように思います。ソロだとパート分けがないからなおさら。バンドメンバーとの掛け合いもようやくここでがっつり見られました。

M07 青空を待ってる

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 これは入りの演出が出色でした。アルバムの順番に倣って次はすみれソロかなと思い(今になって調べると別に前例はなかった様子)、会場のブレードもピーチピンクからメロングリーンに変わりつつありました。そんな雰囲気の中、スポットライトに切り替わり、しっとりとキーボードが単独で演奏を始めました。先ほどまでの盛り上がりが鎮まり、困惑の雰囲気さえあります。加えられたアレンジで何の曲かわからないというところから、徐々に形が見え始め、やがて会場はマリーゴールドに染まっていきます。演奏が止み、再び暗転。実際には数秒ほどの沈黙が、とても長く感じられました。

 満を持して響く伊達ちゃんの歌声。気付けばセンターステージに立っており、白練の衣装で後光を浴びています。メインステージのキーボードからの見事な視線誘導に鳥肌が立ちました。明るく元気な曲が多いLiella!の中にあって、バラードをどう見せるのかは注目していた点の一つでした。実にあっぱれです。

M08 Tiny Stars アコースティック Ver.

 曲の途中で移動して最後はメインステージで歌い終えた伊達ちゃん。すると無音の中、右後方からこれまた純白の衣装のりーちゃんがおもむろに近づいてきました。そっと肩に手を置き、どこかから「マジか…」と嘆美が漏れました。

駆け抜けるシューティングスター
追いかけて星になる
煌めけ!

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 演奏はリズムを取る程度のギターだけ、寄り添ったままの2人がしっとりと歌い上げていきます。ここまでは生バンドといっても原曲に忠実なアレンジだっただけに、ここでしか聴けないこの歌が際立ちます。大サビの掛け合いで見つめ合い、最後にはかたくというよりそっと手と手つないでフィナーレ。

M09 瞬きの先へ

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 流れを引き継ぐようにバラードナンバーが続きます。Wish Songのカップリングということもあって恋のイメージの強いこの曲。イントロの瞬間からサファイアブルーを灯しました。ただ、よく考えれば曲の進行としては恋以外のソロ・デュエットパートがしばらく続くのですよね。前奏の間にステージ向かって左に移動していた伊達ちゃん、反対の右に立つりーちゃん、右上段のペイちゃん、左上段のなこちゃんと、それぞれ担当パートで真下に降りるスポットライトを神秘的に浴びます。では恋のパートはというと…。

僕もきっと

 1番の最後、この一言だけです。でも、この一言だけで十分でした。万感のこもった歌声とともに、ぽっかりと空いていた中央から、堂々の登場です。

 それからはなぎちゃんの独擅場です。間奏に入り、バレエを踊る踊る、回る回る、ステージを下から上へと駆け、跳んだ。

 落ちサビに入ってからも舞台は終わりではありません。集まったメンバーが順に歌う中、一人観客に背を向けて立っています。やはり恋のパートはトリ、振り返って”ひとつに”つながりました。やっぱりこれは恋がセンターの曲だ。

 ところで、このときの5人の白の衣装は既出だったのでしょうか。調べてみるとMTV Unplugged初出の衣装のそれのような気もしますが、少なくともなぎちゃんに関してはタイトスカートではなく、跳躍で大きく広がっていたと記憶しているのですよね。

M10 微熱のワルツ

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 いや、このバラードの流れは神憑っています。静かに聞かせる曲を並べて、これだけボルテージを上げられるのだから大したものです。いつかの生放送だったかでなぎちゃんが語っていたのですが、全身を一つの楽器として広げて使う歌唱に対し、バレエって身を引き締めて踊るみたいなのですよね。ダンスールを見ていてもそんな感じがする(ニワカ知識)。その対照的な身体の使い方をどうやって両立させるか研究しているとのことでしたが、言葉どおり個性的なバレエを取り入れたダンスだけでなく、歌も情感たっぷりでとても良かった。MCでも触れていましたが、加入が遅れ、メンバー随一と称されながらあまり描写のなかった優雅さを、他ならぬキャストとして体現しているのだからすごい。

Band① Wish Song

 出だしにアレンジが加わっていて、わたしだけでなく周りもしばらく何の曲かわからなかった様子。大好きな曲だけに、正直演者のパフォーマンスつきでしっかり観たかった。メロディーはもちろん、アニメの設定とエピソードを美しく織り込んだ詞、手の繊細な表情が光る振付が、本当に好きなので。休憩とばかりに座るオタクも多かったです。わたしもここまで大拍手の連続で疲弊していましたが、せっかくと思い青のブレードを振りました。

M11 みてろ!

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 アルバムから最後に残っていたソロ曲。今回のライブでCDでの印象から一番変化があった曲かもしれません。舞台は再びセンターステージへ。見間違いでなければ、前奏から歌い出しのタイミングで迫り出しを使ってペイちゃんがぴょんっと出てきました。ノンフィクション衣装で察します。次はペイトン無双だ。

 CD音源から印象がぐっと良くなった要因はいくつかありそうですが、一つは歌唱です。特にDay2の方が頭の低音から声がよく通っていた気がします。単にうまいという以上に、乗ってしまう歌声なんですよね。アニメではかのんの歌声に一気に引き込まれたわたしでしたが、気付けばすみれの歌にも魅了されていった過去があります。ただ、それはどちらかというとリエラのうたのDearsのような、優しさと強さを兼ね備えた声にでした。ペイちゃんの歌はライブ映えもピカイチなのですね。

 生バンドも活かされていたと思います。元がギターソロのあるようなロック調ですしね。曲の締めにはペイちゃんがセンターから「巻き起こせ―!!」と花道を猛ダッシュ、バンドメンバーを各所で煽りに煽って決着。

バンドメンバー紹介

 ペイちゃん以外の4人もノンフィクション衣装で登壇、ドラム、ベース、ギター、キーボードと一人ずつテクニックを見せつけながら紹介。まあ王道のあれです。台本どおりの語りだと、キャストを離れて一気にキャラっぽくなりますね。

M12 ノンフィクション!!

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 ボールは再びペイちゃんに戻り、「ギャラクシー!」の高らかな宣言とともに、曲が一変、スクリーンにアニメ映像が映し出されます。10話の再演です。ラブライブといえば、このキャストによるアニメの忠実再現というイメージがありましたが、今夜はここで初めて持ってこられました。伊達ちゃんのぶりっ子極まった”あれもこれも欲しい”が好きすぎる。いまさらですが、元から用意してある映像やら音声やらに、生での諸々が終始ずれることなく進行するというのは、尋常ではありません。生で見る後奏の足上げダンス、すごかった。

M13 Day1

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 これもCD音源から評価を大きく押し上げた一曲。良い曲ではあるけれども、ネットでの絶賛ぶりとは距離がある感想でした。この3曲、ライブで大化けしますね。曲がそういうふうにできているだけでなく、ペイちゃんのステージ回しが抜群にうまい。みてろ!でステージの際に座り込んで投げかけるところとか、Day1の手を突き上げる振りとか、2次元キャラ顔負けの決め顔とか、上がらずにはいられない。キャストからみても盛り上がりが伝わっているようで、Day2のMCでもなこちゃんに取り沙汰されていました。

MC②

 ここでようやく座って水を飲みます。特に初日はもうへとへとでした。話題は公演名にちなんで夢について。ペイちゃん「主役になるというすみれちゃんの夢を一緒に叶える」、なぎちゃん「アニメで見られなかった魅力を発信」、なこちゃん「ダンス以外のことでも何かかのんちゃんにできないことをできるようになる」と表明していき、クーカーを残して先にステージからはけます。続くりーちゃんのまっすぐな言葉に胸を打たれました。

「スクールアイドルにあこがれて一人日本にやってきた可可ちゃんと自分を重ねて見ている。Liella!の一員としてずっと夢の中にいて、この夢を可可ちゃんと、Liella!のみんなと、ファンのみんなと、いつまでも見させて」

 これを涙ながらに語るなんて反則ですよ。また来たい、また応援したいって思わざるを得ない。Day2では泣いたことを照れてアーカイブを見ないでと笑っていましたが、もう強烈に脳裏に焼き付いてしまいました。この後に伊達ちゃんの夢の話がされるのですが、りーちゃんの鼻をすする音が終始余すところなくマイクに拾われていたことしか正直覚えていません。

 Day2の話をもう少しすると、この辺りからいよいよ2日間の公演が終わりに近づいてきていることを意識していきました。すみれ三部曲の最高潮のボルテージから、いったん落ち着いて冷静になる頭。キャストが過去から今、そして未来へ続く夢を語っていく中、わたしはこの2日間の夢の終わりの訪れに目を背けたくなっていました。

Band② What a Wonderful Dream!!

 Wish Songと同じくアレンジでしばらく何の曲かわからない。さすがにこの曲は演者付きで改めてやるよね?

幕間① アニメ映像

 かのんに羽根が降りてくる1話ラストシーンから。ハレルヤ来たー!と思ったのも束の間、一斉に着席するオタクで恒例の幕間なのだと察します。かのん、可可、すみれ、千砂都、恋と1期の要所場面が流れ、再びかのん、かつても歌うことに恐怖心があったことを自覚する11話のシーンで締められます。

M14 私のSymphony

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 11話とオーバーラップするように、ピアノ伴奏でかのんのAメロ独唱からスタート。What a Wonderful Dream!!の衣装です。てっきりこのままソロかと思っていたら、ピアノ伴奏はそのままに、1番の進行とともにCDのパート分けどおりに1人ずつスポットライトを浴びて姿を現しました。Bメロが終わったところで、メインステージに立つ伊達ちゃんと、それぞれ距離を置いて花道に直立した4人、センターステージへと続く1本の光の道が浮かび上がりました。

 サビの斉唱が始まると同時に、歩いてセンターに集まる5人。今日この場所が”胸に描いてたステージ”であることが、一観客としてどうしようもなくうれしい。

 1番が終わって曲調が一変、バンドもフル参加して賑やかなCD調に。Aメロのクラップにサビのジャンプ、しんみり聴いても良し、ワイワイ盛り上がっても良しで曲が強すぎる。

 ここでひとつ、印象的な光景を。センターステージだと、当然ステージより前の座席の観客は後ろを向いてステージを見ることになります。盆踊りのようにステージを中心に観客が円形に並ぶわけです。この状態で、曲の締めの"ラララ ラララ ラララ"のところでワイパーの要領でブレードを左右に揺らす観客、これがとてもきれいでした。特にDay1の席からは、ステージ傍からスタンドの一番上まで、色とりどりの光の渦が小気味よく左右に回るさまがよく見渡せました。ワイパー振り自体はFlyer’s Highでもあって、そのピーチピンク一色の波もきれいではあったのですが、対称性の差ですかね、込み上げる一体感に次元の違いを覚えました。お互いに顔も名前も知らない、ただ同じ時間、同じホールに集まっただけの人間が、Liella!といういろんな色の光で結ばれて、会場いっぱいに大きな渦をつくっている、実に神秘的な体験でした。

M15 始まりは君の空

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 名曲が止まらない。真っ暗なセンターステージでポーズを取った5人が、一斉に灯る照明で立ち現れる始まりがたまらなく好き。ちなみに専用衣装以外で披露されたのは本公演が初めてだとか。

  [私を叶える物語盤]のカップリングである私のSymphonyとは対照的に、夢をみんなと分かちあうことがテーマなのですよね。振付も同じ振りをそろえてするだけでなく、複数人で完成するものが存分に盛り込まれ、ダンスそのものがMVとして最適化されている印象。それは現地でも同じで、Day2で"失敗は成功の準備運動"のりーペイを正面からバッチリ見られて無事昇天。

M16 Dream Rainbow

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 名曲が止まらない、本当に。出だしのララララ~は省略、バンド演奏からのスタート。大言壮語にもほどがある歌詞が一周回って大好き。

行けるよ だって君がいっしょだから
たとえばそう 夜空にも虹が架かる

 晴れ上がりとセットで現れる虹を、よりによって夜空ですよ夜空。しかも事前に”たとえばそう”と溜めを入れて、夜空に止まらない無限の可能性を暗示する欲の張りよう。これまでは翳りのある詞やメロディーの曲を好んで聴いて生きてきたのですが、Liella!はやれ夢だ未来だとそれはもう明るい曲のオンパレード。それでも好きだから、Liella!は唯一無二の光、特別です。

 ライブに話を戻すと、せっかく光景が次々描き出される曲なのだから、演者のパフォーマンスに限らない、より大胆な視覚的演出ができそうな気がします。もっともこれは、アニメの方がやりやすいですかね。挿入歌コンペに負けてしまったのかなあ。

MC③

 キャストが明るく小ボケを入れながらしゃべる一方で、いよいよ終わってしまうとしみじみしていました。曲が流れていないと、疲労感と待ち受ける喪失感で潰れそうになってしまう。

M17 What a Wonderful Dream!!

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 満を持しての公演タイトル曲。終わりに持ってくるところがなおさら、横浜から続く一連の公演の終幕を思わせます。

 メインステージで踊る彼女たちを見て、この日最大の既視感を覚えます。それは当然で、キャラからキャストへの変換を挟まない、MVそのままだから。

 終わりを意識して気が抜けたというわけではないと思うのですが、あっという間に曲が終了。キャストが降壇します。会場の拍手はまもなくアンコールの手拍子に。テンポもやたら速くて合わせるのしんどかった。最登壇までしばらくかかるだろうし、もう少し余韻を味わいたかった気もします。

幕間② 大阪公演オリジナルアニメ

 暗転して再び万雷の拍手に包まれます。丸枠にデフォルメ顔のみのキャラがスクリーンで歓談を始めました。城ホールが見下ろせる雲の上にいて、どうやら今のライブの観客の応援で昇ってきたみたいとのこと。憎いことを言いますね、ブレードを振って応えます。

 トピックは大阪に移ります。中の人の影響?で大阪の血が暴走する千砂都。大阪の丸はたこ焼きだけやない、お好み焼きに、お土産定番の豚まん、社長のクセ強いどら焼き!(←でも最近はかぶきもんのCMしか見んなと内心。)海遊館とは甘い、大阪といったらひらパーやろ!(ここでグラサンかける。)正直2日連続で見ても面白かった。

 他4人の切実な願いによって?千砂都のグラサンが外れてからは、真面目な話に。大阪上空だけでなく各所へ飛べる様子で、表参道、原宿、青山とアニメの舞台を巡り、結ヶ丘のスクールアイドルであることを再認識、最後に今は届かないあこがれの場所、新国立競技場モチーフの神宮競技場が映って終わりました。

EN01 START!! True dreams

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 スタドリ衣装に身を包んだキャスト5人が再登壇。やっぱりこの曲に戻って来るのだよな。わたしにとってはアニメがLiella!の始まりであり、スタドリが最も観てきた曲ですから。

 直前の幕間のラストシーンのせいか、ライブ最終盤のテンションのせいか、はたまたりーちゃんが語った夢のせいか、Liella!を新国立に連れていきたい、スタドリの景色を本物にしたいと夢みてしまった。

 余談ですが、Day2では左前のコスプレオタクが幕間中にWaWD衣装を脱ぎ始めて、暑かったのだろうなと思っていたら、にわかにたすきをかけてスタドリ衣装に変身して驚きました。アニメ第3話までを観て、わたしがかのんにとっての可可になりたかったと感想を抱いた身としては、気持ちがわからないでもない。わたしも女だったらたぶんコスプレしてた。

EN02 未来は風のように

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 前奏開始の瞬間、オタクのうれしそうな声が漏れ聞こえる、わかるよ。横浜、名古屋の同公演ではやらなかったみたいで、これも大きく影響していそうです。2期を目前にしての公演で1期OPEDの流れ、最後まで抜かりないセトリですよ。

 やっぱりED映像がかわいすぎる。過去のライブ映像は現地まで見ないと決めており、非歌唱シーンの続くこの映像をどのように演者が表現するのか非常に気になっていました。実際に目にした感想としては全部かわいかったのですが、それだとあんまりなので1つだけ。ペイちゃんのスカート畳んで座るシーン、最高でした。

 終盤にメンバーカラーのスカーフを持って踊る演出、これもとてもキュートだったのですが、Day2ではお別れを強く印象付けるようでちょっと物憂くも。また会えるかな。

MC④

 Day1だと再び泣いてしまうりーちゃんがやはり強かった。拍手が、ブレード振ってもらえるのがうれしいって、疲労が突き抜けているここにきて一番の反応を返してしまいます。これまで双方向型のコンテンツ消費ってしてこなかったのですよね。お便りを出したことがないのは当然、生でも録画でもログオフでコメントしないし、向こう側に認知されなくてよい、むしろ認知されることを積極的に避けようとしてきました。ただ、個を区別されない一ファンであるという部分はそのままで、キャストが喜んでくれることをしたいという思いは、この日たしかに芽生えました。

 Day2だとなぎちゃんの言葉が良かった。ファン、バンドメンバー、Liella!、みんなでつくったこのステージが第8話の文化祭のようだったと。アニメ原理主義者としてこれほどうれしい表現はありません。かつてのキャストがキャラになりきるというイメージから、今宵リアルライブを通じて我々ファンもまた舞台なりファンなりの一部としてアニメに入り込めるのだと実感しました。でもだからこそWish SongとStarlight Prologueをやってほしかった(亡霊)。

EN03 ユニゾン

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 この曲をグランドフィナーレに、幕が下ります。今の気持ち、長々と書かなくても全部この曲が歌ってくれている気がする。歌いながら笑顔で手を振る5人に、わたしもめいっぱい振り返す。5人の姿が見えなくなって、拍手をしなきゃと思うのだけど、力が入らなかった。

TVアニメ2期PV

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 魂の抜けたDay2終演、そのまま未来へ強制召喚です。なこちゃんが声を詰まらせて泣いてもこらえていたのに、オニナッツが映った瞬間に目頭を押さえずにはいられなくなりました。これを書くにあたって見返すまで、PVの他の内容なんも覚えてなかった。

トラウマ。

おわりに

 ここまで書き起こすのに結局1週間かかってしまったのですが、なるべく上演中の生の熱を思い出しながら文章にしました。さいごに、あれから1週間後の気持ちの落ち着いた今からみた、初参戦の総括をしたいと思います。

 2日間の公演は、これまでの価値観を一変させるほどに楽しいものでした。録音・録画された音楽や動画を一人で視聴するだけでは味わえない感動が、このライブにはありました。赤の他人と同じ時間、同じ空間、同じリズムを共有することで得られる一体感、演者とファンが間仕切り無しに対面することで生まれるリアルタイムの双方向性。アニメとリアル、キャラとキャストの融和を追究してきたラブライブ!は、先の特性とあいまって、集ったファンさえもアニメの世界へと飛ばす力を持っているようです。

 公演、アルバム、曲のタイトルであるWhat a Wonderful Dream!!は、それぞれの体を如実に表していました。単なる「夢」という以上に、「夢みる」という言葉が生み出す推進力が、止まることを知らないLiella!の源泉であると感じました。

 特筆すべきがグランドフィナーレを飾ったユニゾンです。わたしだけでない、このライブにいたすべての人がニゾン・・・・した曲ではないでしょうか。楽しいこの夢の時間がどうか終わらないでほしい、公演中先へ進む後ろ向きな思いを何度したかわかりません。これには単にこの公演の終幕に止まらない、5人のLiella!への特別な執着も含まれています。2期生の加入については、学年が上がるなら当然だろうと思っていたはずなのに、ライブがわたしを変えてしまいました。それでも、Liella!がいっしょに未来へと歩こうと言ってくれているのだから、彼女たちにこの先も鼓動を重ねていきたいと思います。ただ、2期生の情報はアニメ2期第1話まで入れさせないで、許してください。